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バックナンバー【連載】あの会社はコレで決めた！動画で納得、サーバ導入のヒミツ！
第1回：ftサーバの導入で、高可用性を手軽に実現！第2回：1Uハーフサーバでネット企業のビジネス支援第3回：水冷サーバがオフィス環境を改善！第4回：負担軽減を目指し、ブレードサーバに統合
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導入者の悩みオフコン並みの可用性と、低い運用負荷を兼ね備えた基幹業務システムに移行したい…。内部統制対応のため、業務アプリケーションの信頼性も向上させたい…。システムの可用性を高めたいが、クラスタ構成は面倒だ…。
【導入の背景】――コンプライアンスに対応するため業務システムを一新
中規模機械メーカーのA社は、1990年代にオフコンによる基幹業務システムを構築した。当時は、UNIXサーバを利用したクライアント／サーバ型システムへのダウンサイジングが流行していたが、それ以前のIT資産を確実に継承するために、あえてオフコン資産を捨てることをしなかった。1999年には「2000年問題」に合わせてオフコンの基幹業務システムの一部を更改。そのまま、2006年までの長期リース契約を結んでいた。
ところが、リース満期を1年後に控えて次期システムの検討に入ろうとした矢先の2005年、いわゆる「日本版SOX法」による内部統制環境整備をはじめとする“コンプライアンス対応”を財務・会計を中心とした基幹業務システムに求める機運が高まってきた。A社に部品製造を委託している上場企業の大手電機メーカーX社でも、内部統制環境整備にいち早く取り組み、主要取引先のA社に対してコンプライアンスに対応した基幹業務システムへの切り替えを強く求めるようになった。
現行の基幹業務システムでは、コンプライアンスへの対応が不十分であったA社の情報システム部では、検討を重ねた結果、オフコンによる基幹業務システムを一新することに決定したのだった。
基幹業務システムを再構築するにあたり、A社が第一の条件としたのが、運用時に決して停止しないという高い可用性だった。これまで運用してきたオフコンは、業務システムに特化させた堅牢性と、ベンダーによる手厚い保守サービスにより、これまでトラブルと言えるようなものに見舞われたことはなかった。
とはいえ、一部に導入していたUNIXサーバによる業務システムや、グループウェアやメールシステムなど、情報系システム用に導入したIAサーバも、障害の起こらない保証は無い。今のところ順調に稼動してはいるが、万が一障害が発生した場合、復旧を担当する情報システム部にとって、より可用性の高いシステムを構築することは長い間の課題であった。
しかし、A社では、オフコンによる基幹業務システムにかかってきた運用経費の軽減も条件としていた。メーカー間の競争が激化した現在、企業が生き残るためには、あらゆる面においてコスト削減は至上命題である。もちろん、高い可用性は大切だが、運用コストも軽減せよ、というのが、会社から突き付けられた課題だった。
【導入の経緯】――多くの選択肢を検討しftサーバに決定！
コンプライアンスに対応した業務システムの構築を考えたとき、UNIXサーバかIAサーバかどちらかの選択しか余地はない。さらに、A社の予算を考えると、IAサーバを導入せざるを得ない。そこで、A社の情報システム部では、IAサーバで可用性を高めた基幹業務システムを構築できるソリューションが実現できないか検討した。
まず、候補として上がったのが、IAサーバをクラスタ構成にするという方法である。クラスタ構成は、稼働系システムとまったく同一の待機系システムを用意しておき、稼働系システムに何らかのトラブルが発生した場合に待機系システムに切り替えて業務を継続するというものだ。こうした運用方法を「フェールオーバー」と呼び、ハードウェア障害だけでなく、ソフトウェア障害の発生時にも対応できるというメリットがある。
その反面、同一構成のハードウェア、ソフトウェアを正副2系統用意しなければならず、導入コストは単純計算で“倍”になる。設計、構築費用も考慮すると、これでは、用意した予算内に収まりきらない。
そうした中、A社が見積を依頼したシステム販売会社のM社が提案したのが、NECのフォールト・トレラントサーバ「Express5800/ftサーバ」だった。導入コストは一般的なIAサーバよりも高価だが、クラスタ構成にした場合に比べれば安価であり、予算内に収めることができた。結果的に、ftサーバのさまざまな利点がA社にとって最適だったため、導入を決定した。
【導入の効果】――障害復旧は手間要らず、運用コストも大きく軽減
クラスタ構成に比べ、導入コストがぴったり適合したという理由で導入が決定したftサーバだが、実際にシステム構築を進めていく上でさまざまな導入効果が期待できることがわかった。
ftサーバは、障害発生時でも業務を継続するために設計されたサーバコンピュータであり、コンピュータを構成する主要なモジュールが二重化されている。例えば、一方のメモリに障害が発生して処理不能になったとしても、自動的にもう一方に切り替えられ、処理を継続できるという機能がある。それは、クラスタを導入した場合も同じだが、クラスタでは障害発生後にリカバリする、すなわち元の状態に戻す作業が意外に手間取ってしまう。
その点、ftサーバの場合、障害が発生したモジュールを新しいモジュールに交換するだけで済む。しかも、業務運用中もシステムを停止することなく交換が可能だ。そのため、システム販売会社のM社と結んだメンテナンス契約費用は、従来に比べ大きく軽減されることになった。
また、管理性も大きく向上した。オフコンでは、機種固有の特別な運用方法を習得しなければならなかった。それが、ftサーバに合わせて業務アプリケーションをWindowsベースにしたことにより、管理者に新たに運用方法の習得を強いる必要もなかった。
ただし、課題がないわけではなかった。ftサーバはハードウェア障害に対しては、非常に高い信頼性を持つが、ソフトウェア障害には基本的に対応できない。その課題を解決するために、A社では「SingleServerSafe for ftサーバ」というオプション機能を導入した。これは、サーバのソフトウェアを常時監視し、障害発生時にサービス、プロセス、OSを再起動して復旧させるという機能である。
このほか、NECのシステム障害通報サービス「エクスプレス通報サービス」も導入した。このサービスは、ハードウェア障害発生時、障害を検知すると、NECの保守センターへ自動的にアラームが上がり、管理者に連絡が入る仕組みになっている。おかげで、管理者の負担軽減効果にもつながったという。
解決のポイントを実証！
もっと詳しく動画でみる！NEC 「8番街」へ【今後の展開】――UNIXサーバの業務アプリケーション移行も視野に
ftサーバの可用性の高さ、および運用コストの低減に効果を認めたA社では、UNIXサーバで構築した一部の業務システムについても、ftサーバへリプレースできないか検討を始めている。特にネックになっているのが、UNIXサーバで構築したアプリケーションはパッケージではなく、スクラッチから自社開発したものだという点だ。
しかし、A社の情報システム部がシステム開発を手がけたN社に問い合わせたところ、その心配は杞憂に終わった。ftサーバは、Linuxでの動作をサポートしており、N社が開発したアプリケーションは、UNIXからLinuxへのコード移植が比較的容易とのことだった。つまり、UNIXサーバからのリプレースも、ftサーバ上でLinuxを稼働させれば、予想よりも少ないコストと納期で実現できそうなのだ。
A社にとって、高い可用性を維持しながら、運用コストを大きく削減できたftサーバは、満足のいく選択肢だった。過去20年間にわたってオフコンと付き合ってきたが、今後ftサーバとは長い付き合いになりそうな予感である。
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